2022ツールド長野レポート
距離約120km
累積標高約6200m
タイム 17時間59分
順位はつかないけど1番でゴール
リザルトhttp://blog.trailmountain.jp/?eid=1556318
ツールド長野は長野の里山を自分の脚で巡るイベント。コースマーキングも誘導員もなく、配布された地図に示されたルートを自分で巡るスタイル。コースは全8エリアで構成されている。
レース中に地図を見ながらルートを探すのもよいが、全ルートをスムーズに走りたかったので,事前に配布された地図をもとに、試走を行った。山以外のロードはどこを走ってもよいルールのため、あらかじめどこを走るか下調べしておくと、当日走りやすい。
大会当日は良く冷え込んでおり、車の温度計で-3℃。朝7時、信州トレイルマウンテン店長の奥野さんが鳴らす鈴の音でゆるゆるとスタート。
特に設定タイムは設けていなかったが、速すぎず、遅すぎずのペースで走ることが結局一番楽にゴールできることにつながる。心拍数140を上限にして、走ろうと思っていた。序盤は周りの参加者さんと話しながら進んだ。すぐに声をかけてくれたのが塚田さん。初対面だったが、私のことを知っていてくれた。同い年だという。数日前にバックヤードを走ったんだとか。合計で300km以上走ったとのこと…。超人に出会えてうれしい気持ちになった。
それから、塚田さんに誘われる形で参戦していたのが、竹村くん。信越五岳トレイルランニングレースで準優勝している実力者だ。竹村くんとも走りながらいろいろな話をして楽しかった。
そして、地元で活躍している竹内くん。今年は何回か同じレースを走っている。彼ともいろんな話ができて、楽しかった。中盤までこの4人で走る時間帯が長く、良い連帯感があった。
霧の中、第1エリアの雁田山に近づくと、いきなり山肌が壁のように目の前に現れた。ストックを組み立て、登山道を登っていった。高度を上げていくと、雲の上にでた。きれいな雲海が広がっていた。一気にテンションが上がる。最高以外の言葉がでてこない。
はしゃいで写真を撮りながら、下山ルートへ向かった。斜度が急な上に、路面はカチカチに凍って滑る。転んで肘を打った場面もあったが、けがをしないように慎重に下った。チェックポイントを通過した後、第2エリアを目指す。
塚田さんが思いもよらないルートを通り、そこについていく。塚田さんはロードの最短距離も全て頭に入っているようだ。第2エリアにつく頃には、わたしたち4人が先頭パックになっていた。エイドでは温かいスープやコーラを頂いた。
第2エリアの坂田山、妙覚山はふもとにいくつものルートがあり、迷いやすい。こういうとき、地元の人を含む集団で走れるのは強みだ。坂田山を登っていくと、再び雲海の上にでた。北アルプスまでくっきり見える。風もなく、とても気持ちがいい。
坂田山山頂から妙覚山をピストンする間に長野マラソンのエントリーをした。下り坂に入ってからは、やはり凍結していて滑りやすい。けがをしないように慎重に下ると、再びエイドステーションについた。スープやおにぎりを頂き、第3エリアを目指した。
途中でトイレに寄ったあと、先頭まで追い付こうとしたが、ペースが速く、追いつくのがなかなか大変だった。ここまでちょいちょい心拍数が140~150ぐらいになっており、ちょっと予定より速いなと感じていた。それを差し引いても先頭パックで走る方がメリットが大きいと思ったので、先頭の塚田さんと竹村くんに追い付いた。第3エリアは井上山、大洞山をまずは登っていく。徐々に塚田さん、竹村くんのペースについていくのがきつくなり、遅れることを承知で自分のペースにした。力が入らなくなってきたので、KODAジェルを摂りそのまま進んだ。それでもエイドまでの下り坂で二人に追い付いた。エイドでは熱い豚汁におにぎりを入れて、いただいた。コーラも飲んだ気がする。
そこから先は二人と一緒に走るのもきつく感じなかった。
若穂太郎山を経て、長い下り坂を下った。この頃、塚田さんが疲れを感じたようで、竹村君と二人で走る時間帯もあった。麓に下りてからしばらくロードを走ると、竹内君も追いついて、4人パックになった。第4エリアに行く途中で塚田さんがコンビニに寄ったので、私と竹村君、竹内君の3人で奇妙山登山道入り口(大室古墳群)のエイドに到着した。コーラ、スープ、おにぎりを頂いて、先に進んだ。
奇妙山はツールド長野のコースの中で一番標高が高く、長い上り坂が続く。淡々と登っていった。無事に奇妙山山頂に到着。
時刻は3時ぐらいだったか。明るいうちにこのエリアを通過できそうで嬉しい。そして、尼厳山山頂を経て麓へと下る。
ここはかなり傾斜が急な上、ガレている。さすが山城。敵に攻められにくいのも頷ける。無事に池田の宮登山口に着き、小布施須坂松代エリアが終わったことにホッとした。第4ステージまでは、険しい山が多く、手強い。それに比べて第5ステージから第8ステージは走りやすい印象だ。
ここからは長いロード区間となる。次のエイドまでも距離が大きいため、途中のコンビニをエイドにすることにした。竹内君が自動販売機で給水している間に、竹村君と二人で先頭を進んだ。16時半ころファミリーマートに寄り、みそラーメンとポカリスエットを買う。ラーメンはイートインスペースで食べ、先へ進むことにした。竹村君は足の痛みが心配なのでペースを落とすとこのことだったので、一人先に行かせてもらうことにした。信号待ちで夜に備えてヘッドランプを装着してから走っていると、長野オリンピックスタジアムのあたりで塚田さんが追い付いてきた。バックヤードの疲れがあるようで、体が思うように動かないそうだが、流石の走力だった。マッサージをしては走ることを繰り返しているそうだ。第5エリアにつく頃には日が落ちて暗くなっていた。
すぐ後ろに竹内くんがいたので、少し待って合流し、一緒に恐竜公園の中を進んだ。ここも気を抜くと迷いやすい。無事に茶臼山登山道入り口を見つけて、進むことができた。山頂をピストンし、先へ進む。
この辺りで少し差が開き、また単独で先頭を走る形になった。トレイルを抜けると、エイドステーションに着いた。ラーメンがある予定だが、調理に少し時間がかかるとのこと。さっきコンビニでラーメンを食べていたので、パンだけいただいて先に進むことにした。後から到着した竹内くんに一声かけて、エイドステーションを後にした。完全に単独走になった。ここからは自分の計画と下見の経験を頼りに進むしかない。下見した時とは違い、周囲は真っ暗。時折ルートがあっているか心配になりながらも、無事に富士ノ塔山の登山道に入ることができた。心拍数は130ぐらいを推移していたように思う。体が動かなくなってきた頃、ジェルを摂ると動きが良くなることが良く分かった。パンやおにぎりと比べるとジェルの即効性は素晴らしい。
富士の塔山を経て、エイドステーションに到着。汁物におにぎりを入れて食べ、ミルクティーとコーラをボトルに入れて出発した。ここは長いロード区間。ペースを守って淡々と走った。途中、旭山展望園地をピストン。素晴らしい夜景だった。
麓に下りると、市街地を抜けて第7エリアへ。そして頼朝山、葛山と通過し、大峰山で次のエイド。うどんを頂き、先へ進む。地附山への分岐は見落としそうになったが、一度立ち止まって、正しいルートを選べた。試走しておいてよかった。地附山山頂を経て駒弓神社方面へ下山。
最終第8エリアへ向けてのロード区間は、近道せず、大きい道を淡々と進むことを選んだ。100km近く走って疲れてきてもいたので、分かりやすい道を走ろうと思ったからだ。無事に三登山への登山道に入ることができた。ここの登りは暗くて先が見通せなかったこともあってか、結構長く感じた。それでも最終エイドに到着し、汁物とおにぎりを頂いて先へ進んだ。ここまで2つのフラスコの中の片方にミルクティー、もう片方にコーラを入れて飲んできたが、コーラの方は甘すぎるせいか、水分補給としてはあまり進まなかった。ミルクティーの方はいつでもおいしかった。パンを口に含んでからミルクティーを飲むとちょうどいい具合に口の中でパンがミルクティーを含み、おいしく仕上がった。
エイドを後にしてほどなく、三登山山頂に到着した。
三登山から髻山までのルートは分岐が多く迷いやすい。それでも試走してあったので、不安になることなく正しいルートを見つけて進むことができた。髻山をピストンし終えると、あとはゴールまで下っていくだけだ。トレイルを終え、北信五岳道路に入るとどれぐらいのタイムでフィニッシュできるのか計算してみた。すると、もしかしたら17時間台でフィニッシュできる可能性があることが分かった。20時間以内ぐらいをざっくりとした目標にしていたとはいえ、速くゴールできるに越したことは無い。グーグルマップでは残り距離は4kmを切っていた。下調べしていた道ではなかったが、グーグルマップが示した最短距離を走ってゴールに向かった。キロ4分~4分30秒ぐらいのスピードだったのではないかと思う。ここにきてこんなにスピードを上げるとは思わなかった。でもこういう目標があると頑張れる。そして、ついにゴールの信州トレイルマウンテン店舗が見えた。どうやってゴールするんだっけ?と思いながら、たぶんお店の中に入った時がゴールだった気がすると思い、お店の扉を開けてゴール。12時59分。タイムは17時間59分だった。
ゴールできてうれしかったし、トラブルなく無事に走ることができてうれしかった。
ゴール後に名物のカレーを頂いた。平気で食べられると思っていたけど、半分くらいしか食べられなかった。思っていたより疲れたようだ。残してすみません。
【ニューハレ】今回はニューハレに大変お世話になった。Xテープを足首に2枚ずつ。腰に一枚。Vテープはふくらはぎ、膝、ハムストリングス、腰、腸脛、大腿四頭筋前面に貼ることで、安心して走ることができた。
【KODA】補給はKODAジェル。エイドとエイドの間では、30~60分に1本程度摂取した。摂取するとグワッとパワーがみなぎってくることが実感できた。
【シューズ】シューズはSALOMON S/LABウルトラ3。パルサーSGと最後まで迷ったが、ストレスなく走れるという点で、こちらを選択した。最初から最後までストレスなく走ることができ、これを選んで大正解だった。インソールはもちろんsuperfeet。
【ストック】
今回はSINANOのポールを使用。上り坂でも下り坂でもバランスをとるのに大活躍だった。登りでも下りでも脚へのダメージを軽減することにつながった。
【ミズグチメソッド】
ここのところ、オンラインセミナーで足の勉強会に参加させていただいている。体のセルフメンテナンスをしたり、学んだ体の使い方を実践したりしたところ、脚に痛みが出ることは無かった。
#ツールド長野
#salomon
2022振り返り
2022年のランニングシーズン最後の大会、ツールド長野が終わった。このタイミングで、スキーの大会も含めた2022年シーズンの大会結果をまとめてみたい。
【スキー】
1/21長野県スキー大会週間国体予選5kmクラシカル 2位
2/19美の国あきた鹿角国体2022 成年男子C 5kmクラシカル 8位
2/27白馬五竜とおみクロスカントリー大会 壮年の部3km 優勝
3/20木島平クロスカントリー競技大会 高校一般男子5kmクラシカル 4位
【ランニング・トレイルランニング】
4/17長野マラソン 2時間51分54秒 215位/4890人中
4/30いいづなトレイルランニングレース20km 1時間39分50秒 9位 40代 1位
5/28高社山バーティカルキロメーター 総合18位 年代別40代3位
6/11奥信濃100 DNF(72km)
7/3中央アルプススカイラインジャパン38K 5時間13分28秒 22位
7/17The4100Dマウンテントレイル野沢温泉37km 4時間27分49秒 16位
8/7小谷トレイルオープンin栂池27km 3時間35分5秒 14位
9/4北信選手権5000m 17分59秒
9/12山梨ナイター記録会5000m 17分50秒
9/17-18信越五岳トレイルランニングレース100mile 29時間55分53秒 83位
10/23志賀高原エクストリームトレイル54km 7時間15分31秒 7位 40代1位
10/30上越妙高エクスプレストレイル37km 3時間50分57秒 5位
11/12信州松代ラウンドトレイル36km 4時間2分24秒 6位
12/3ツールド長野120km 17時間59分02秒 1位
ここに挙げたもので18レース。月に1~2本のペースで大会に参戦したことになる。今年はコロナ禍を経て、大会が戻ってきたシーズンだった。
具体的な目標もないまま漠然とスタートしたシーズンだったが、信越五岳トレイルランニングレースへのエントリー段階で、100マイルにエントリーできることを知り、メインレースを信越五岳トレイルランニングレースに据えて、100マイル完走を今年の大きな目標に決めた。
ここのところ中止になっていた長野県縦断駅伝もリニューアル開催が決まった。参加基準タイム5000m16分40秒以内が設定され、そこを目指すことも決めた。
100マイル完走と5000m16分40秒以内。対照的な2つの種目ではあるが、100マイルを走るのにもスピードがあった方が有利であることは間違いない。両方を目標にすることは不自然なことではないと思った。
自分の中で強烈な思い出になっているのは、DNFだった奥信濃100。今振り返ると、完全に準備不足だった。前年に短縮になったコースで約80kmを完走していたとはいえ、久しぶりのロングレース。100kmのスケールがイメージできていなかった。ペース配分も補給も見通しのバリエーションが乏しかった。これを機に、補給やペース配分を見直すきっかけになった。
今年の大きなトピックの1つはサロモンゴールデントレイルナショナルシリーズへの参加だ。全5大会中3大会に出場した。ワールドシリーズへの出場を目指す選手が集まり、レベルが高いレースだった。100マイルへの練習的な位置づけで参加し、走り方や装備、補給などを試していった。回を重ねるたびに経験値が上がり、順位も上がっていった。
トレイルランニングでまずまずの走りができるようになってきた一方、5000mへのチャレンジでは伸び悩んだ。結局9月に挑戦した2つのトラックレースはいずれも17分50秒台。思うようにスピードが挙げられない歯がゆいシーズンとなった。今後は自分の動き方を見直して、スピードが挙げられる走りを追究していきたい。
そして迎えた信越五岳100マイルは、漠然と24時間ぐらいを目標にしていたが、眠気に襲われてペースダウン。それでも30時間弱で完走。目標の100マイラーになることができたのは今シーズンの大きな収穫だった。
この経験を経て、ロングレースへの興味がさらに掻き立てられた。経験値を積むために12月のツールド長野120kmに出場した。また、練習目的で、志賀高原、上越妙高、松代の大会にも出場した。この頃からストックを使うスタイルが自分の中で定着してきた。
【2023年の展望】
1月クロカンスキー国体予選
2月クロカンスキー国体・湧別原野オホーツククロカンスキー大会
3月アルプアタック・飯山市民スキーフェスティバル
4月長野マラソン
5月いいづなトレイルランニングレース
6月奥信濃100
7月KTF志賀高原100km・野沢温泉マウンテントレイル65km
9月信越五岳トレイルランニングレース100mile・5000mトラックレース
10月飯山市駅伝
11月長野県縦断駅伝
車で1時間の範囲内で3つの100km・100マイルレースがあることはうれしい。
このほかに日程によってGTNSシリーズを入れていければと思う。
サロモン1000km RUNチャレンジ
先週、「サロモン1000km RUNチャレンジ」の企画に参加させていただいた。
今回は自分のチャレンジを振り返り、使用したアイテムを紹介させていただきます。
Day1
「いつもの坂道インターバル」
約8kmのウォーミングアップの後、200m弱の上り坂でインターバル走×10本。スピードを上げた状態での動き作りのため、一週間に一回はこのトレーニングを取り入れている。約2kmのクールダウンで終了。
シューズ:SONIC RA 2
昨シーズンのロード用シューズ。ソールは適度な厚みで、曲がり方も素直。アッパーもしなやかでストレスなく履ける。長距離走もスピード練習も幅広くこなせるシューズで気に入っている。
シャツ:S/LAB NSO TEE
軽量で速乾性にすぐれたTシャツ。さらに、メーカーからのアナウンスでは、「酸化鉱物パッチが、体のエネルギーをセルフアクティベートして筋肉に反射し、エクササイズ中であっても筋肉の緊張や細胞バランスを買いz戦士、回復を促す。」とのこと。
ショーツ:XA TRAINING SHORT
履き心地がさらっとしてしなやか。ウエスト部分に大きなポケットが付いているのが魅力。スマートフォンや鍵、ジェルなども入れることができるので重宝している。
Day2
「高社山ラウンドトレイル」
ひそかにやってみたいと思っていた企画。高社山の赤岩口から登り、木島平側へ下山するルート。2つの登山口はロードでつないだ。およそ30km、3時間強かかるのではないかと予想していたが、実際はおよそ23km、2時間半ちょいで終了した。山頂付近は空気が冷涼で、とにかく気持ちよかった。そして、木島平側のブナ林ルートが幻想的で、たまらなかった。
シューズ:SENSE 4 PRO
トレイルもロードもオールラウンドに走れるシューズ。厚すぎず、薄すぎない絶妙な厚さのミッドソール。アウトソールはラグが深すぎず、ロードで走るのに気にならない。それでいてトレイルではしっかりグリップしてくれる。アッパー素材も水はけがよく、しなやか。履いていてストレスを感じない名シューズ。
Tシャツ:SENSE TEE
薄手の生地でサラッとした着心地。袖口がピッタリして腕にフィットして、風でバサバサしない。これは快適。
ザック:S/LAB SENSE ULTRA 8 SET
余計なパーツをそぎ落とし、超軽量化されたザックは体にジャストフィット。必要最低限の容量だが、ソフトフラスクやジャケット、ジェルにカメラなど、多くのものを収納することができる。さらに、走っていて揺れにくいのも素晴らしいポイント。
サロモン1000kmチャレンジラン 結果
信越五岳トレイルランニングレース110kmレースレポート
期日 2019年9月20日(日)
スタート時刻 6:00 距離約110km
記録 12時間42分16秒
結果 3位
<使用ギア>
ウェア: S-LAB SENSE TEE
S-LAB SENSE SHORT
ソックス:SENSE SUPPORT
シューズ:SENSE PRO 3
インソール:superfeetカスタムカーボン
ザック:S-LAB SENSE ULTRA 5SET
ベルト:S-LAB MODULAR BELT
時計:SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR
ニューハレ:Vテープ(膝)V+Xテープ(腰)
Ⅰテープ(ハムストリングス、ふくらはぎ)
ジェル:SHOTZエナジージェル
レース中30分おきに1本ずつ
(レモンライム、ワイルドベリー、コーラ、マンゴー)
レース中眠気を感じた時に
(コーラバニラ×4回、グリーンプラム×4回)
給水:エレクトロライトショッツ
(レモン、カシス。水500mlに対して1本。)
<出場までの経緯>
今年はこの信越五岳トレイルランニングレース110kmをメインレースに据えた。私が住んでいるこのエリアで行われるビッグイベント。2013年に一度だけ出場したが、その時は7位で入賞ならず。その後はまとまった練習時間が取れずに出場を見送っていたが、ここにきてある程度長時間の練習時間が確保できるようになってきたこともあり、出場を決めた。
長時間、長距離に対応するため、6月には美ヶ原トレイルランニングレース80kmに出場。その翌週に志賀高原マウンテントレイル40kmに出場。疲れた状態でもある程度走れる体やメンタルを養った。8月には南アルプス甲斐駒ヶ岳、千丈岳をめぐるルートを12時間半ほどかけて廻った。そのほかには、毎週末に高社山往復(累積標高1000m程度)、週一回駅伝チームの練習でトラックでのスピード練習を行ってきた。
さて、私がエントリーした地元枠はトレイルのメンテナンス作業を行うことが必須条件。八月にコースの看板設置作業を行った。この大会が本当に多くの人の熱い思いや協力によって造り上げられていることを感じ、微力ながらその一部を担わせていただいたことは、自分にとってとても良い経験になった。
<ペーサー>
信越五岳トレイルランニングレースでは、ペーサーが途中からゴールまで選手と並走することができる。荷物を持って走ったり、何かを手渡したりといった直接的な援助はできないが、辛い場面で一緒に走ってくれるだけでも力になる。今回はサロモンのチームメイトであり、幼馴染の小出徹にペーサーを依頼した。小出が飯山に帰省した際に一緒に走ることはあるが、同じレースに出場することはここ最近なかったこともあり、一緒に走りたいという思いが強かった。
<前日~スタートまで>
大会前日は斑尾で受付をし、ブリーフィングに参加。大勢の知り合いやいつもサポートしていただいている方々に合うことができて、気持ちが高まる。帰宅後、装備品の準備。どこをだいたい何時ぐらいに通過するか、ジェルは何本必要か、などを計算した。これが意外と時間がかかった。入浴を済ませて、10時頃就寝した。
大会当日は3時に起床。3時10分頃から朝食を摂り、着替えてから3時40分ごろ家を出発した。会場には4時ごろ到着。ニューハレの芥田さんにテーピングを施していただき、その後ウォーミングアップ。110kmといえど、スタート後のペースは結構速い。きちんと体を温めておかないといけない。妙高側からのバスに手配漏れがあり、スタートが30分遅れるハプニングがあったが、これもまたトレイルランニングレース。大きな動揺はなかった。
<スタート~バンフ>
午前6時、110kmに挑む選手たちが一斉にスタートした。最初は慣れ親しんだ斑尾エリア。バンフまでは毎年出場している斑尾高原トレイルランニングレース50Kmと同じルートだ。スタート直後の先頭集団のスピードは、予想通り速い。スタート位置が3~4列目だったため、追い付くのに少し時間がかかった。しばらく走ると、大瀬選手が先頭に出て、集団を引っ張る。彼のスピードについていってはいけないが、ある程度上位を狙える10番前後では走りたいと思っていた。上り坂では周りの選手についていくのがやっとだったが、時折現れる下り坂では周りの選手から抜け出すことができた。決して自分が飛ばしているのではなく、流れに身を任せた結果だ。4番手で走っていると、トップの大瀬選手と2位の西村選手がミスコース。「こっちこっち!」と声をかけて、先へと進む。下り坂で荒木選手に道を譲ってもらって、先頭を走ることになった。トップを走るつもりはなかったが、誰かを待つのももったいないので、いけるところまで自分のリズムで行くことにする。そのうちに大瀬選手が追い付いてきて、しばらく話しながら並走するも、平地では大瀬選手のスピードが勝り、自然に距離が開いた。菅川へと向かう林道の上り坂で西村選手が追い付いてきた。菅川のウォーターエイドで水を補給し、斑尾山への登山道へと入っていった。
道のりはまだ長いので、無理して走らずに、斜度のきつい登り坂は早歩きでいくことにした。西村選手は歩くことなく走り、その差はみるみる開いた。ここが私と西村選手との決定的な差なのだろう。現時点では自分のペースに徹し、単独3位で斑尾山山頂へ。そしてバンフまでの下り坂は流れに身を任せて下る。バンフに到着したときはスタートから2時間6分ほどが経過。去年のトップ選手が2時間5分台だったことを考えると、まずまずのスピードであるといえる。
<A1 バンフ 22km地点>
ここはアシスタントポイントになっている。今回はペーサーの小出がここで待っていてくれた。500mlの水(エレクトロライトショッツを溶かしたもの)2本を交換し、ショッツ4本ずつをいれたソフトフラスクを携帯。コーラを一杯いただいてエイドを後にした。
<バンフ~熊坂>
ここからは沼野原湿原、赤池を経由して袴岳山頂を目指す。それほどきつい斜度の登りは無いが、じわじわと高度を上げていく。袴田岳へは偽ピークが2~3回あり、歩きたくなる。速くはないが、走り続けた。袴岳山頂からスイッチバックの下り坂を下り、兼俣林道へ。長い砂利道を下り、熊坂エイドに到着した。前とも後ろとも差が開いている模様。
<A2 熊坂 39km地点>
熊坂エイドでは、ソフトフラスクに水を補給。マイカップでコーラを2杯いただく。豆腐を勧められたが消化できる自信がなく、断念。ミニトマトを一つとバナナを一切れいただき、エイドを後にする。トイレに寄ってから、先を急いだ。ここまでのペースは悪くない。
<熊坂~黒姫>
ここはこのレース最大の難所(だと思っている)関川沿いの砂利道がある。さえぎるもののない登り坂の砂利道。直射日光が容赦なく照り付ける。ペースは上がらないが、とにかく走り続けることを心がける。水の消費量が多くなっていた。変化がないこの区間は精神的にもきつい。
修行のような砂利道の終盤に設けられた、私設エイドの宴会隊エイドに到着。熊坂で補給した水分も随分使い果たしていたので、このエイドは本当にうれしい。水を補給し、果物を頬張ってエイドを後にした。関川を横切る橋のあたりでは、被り水を用意していただいてあり、ありがたく水をかぶる。ここからは再び高度を上げ、東海自然歩道を経由して次のエイドである黒姫高原を目指す。スピードは出ないが、とにかく走り続けることを心掛けた。このあたりからは100マイルの選手と合流していて、「頑張りましょう!」と声を掛け合いながら先へ進む。A3黒姫に到着。
<A3 黒姫 52km地点 5:11:00 エイド滞在3:00>
ソフトフラスコに水を補給。マグマ1本。コーラ2杯。リンゴを3~4切れ。まんじゅう半分を食べる。
<黒姫~笹ヶ峰>
黒姫エイドを出発してゲレンデを登ると、ここからも難所の御巣鷹林道が待ち構えている。じわじわと高度を上げる変化のない単調な林道は4~5km続く。ここも修行。遅いけど走る。それでも周囲が林になっているおかげで、関川沿いよりは涼しく感じる。標高を上げるとそれほど暑さを感じることなく走れたと思う。永遠に続くような錯覚に陥る林道だったが、終わりがやってきた。御巣鷹林道に別れを告げ、西野発電所方面へ下っていく。ここは急激に下る区間。下り始めると気持ち悪くなってきて、異変を感じた。力が入らなくなってきて、フラフラしてくる。内臓が揺れて、ダメージを受けたのか…。下りきってからの急な上り坂も、なんとか歩いて登るのが精いっぱい。ペーサーが待つ笹ヶ峰グリーンハウスに向かう道のりも力が入らず、とても長く感じた。歩いたり走ったりしながら、なんとか笹ヶ峰グリーンハウスに到着するも、元気な状態ではない。
<A4 笹ヶ峰グリーンハウス 65km 6:55:32 エイド滞在4:11>
ここでドロップバッグを受け取る。そして、ペーサーの小出と合流。水分を補給し、コーラを2~3杯いただく。おなかがすいたので、まんじゅう二分の一切れいただく。気持ち悪くてさすがにカレーライスは食べられない。トレイルバターが塗られたクッキーのようなものを2切ほどいただいて、先を目指す。
<笹ヶ峰グリーンハウス~大橋林道>
ペーサーがついたものの、体調は悪く、ペースは上がらない。何とか走るのが精いっぱい。牧場を抜けて、乙見湖を通過。夢見平を目指す。乙見湖からは長い階段が待ち構えている。ここで大腿が攣る。ストレッチして塩熱サプリを補給。一向にペースが上がらないが、焦らずに先を目指す。
夢見平からは走りやすいトレイルが続く。とはいえ、体に力が入らず、力強く走ることはできない。とぼとぼと何とか走るのが精いっぱい。13時を過ぎ、暑さも感じる。途中、一カ所湧き水があったが、スルーした。今思えば、ここで体を冷やしておけばよかった。走りながら、もしかしたら熱中症気味なのではないかと思い始めた。水が流れているところでは、水をかぶったが、水量が多い所は無く、それほど体を冷やすことはできない。
75km地点の西登山道入り口では、ウォーターエイドがあった。ここで水を補給し、西登山道へと入っていった。ここは、それなりの上り坂が続く。走ることはできず、我慢して歩き続ける。腕時計のバッテリーが終わりそうになっていたので、ペーサーの小出に、ジェル補給の時間管理をお願いした。ジェルは30分に1本補給している。体調がよくないので、気持ち悪くて、ジェルを食べたくない場面もあった。「食えない」というと、「食え食え!」と激を飛ばしてくれた。一人だったら気持ち悪くてジェルを食べられず、ハンガーノックになっていたかもしれない。
西登山道の上り坂を登り切るあたりで、ふり返ると、荒木選手が近づいてくるのが見えた。まだまだ元気な様子だ。みるみる抜かされるも、ついていくことができない。残りはまだ30km以上はある。今の体調で無理して追うことはやめ、確実に進むことを考えた。
大橋林道へ向かう途中、下り坂で激しく転倒した。足が上がらなくなってきている。それでも下り坂は何とか走ることができ、ようやく大橋林道へ到着した。
<A5 大橋林道 80km 9:03:17 エイド滞在 5分ほどか>
私たちがエイドに入る頃には荒木選手はエイドを後にしていた。自分はだいぶ疲れていたので、ここではしっかり補給し、椅子に座って少し休憩した。水を補給し、コーラを2杯ほどいただく。果物もあったので、ほおばった。梅干しも食べた。饅頭も食べた気がする。
<大橋林道~戸隠スキー場入り口>
いつまでも休んでいるわけにいかないので、エイドを後にして先を急いだ。ここから先は戸隠エリア。走りやすいトレイルが広がり、自分が大好きなエリアだ。砂利道を抜け、トレイルに入るとすぐに川があった。ある程度水量もある。迷わず川に入り、アイシング。頭からじゃぶじゃぶ水をかけて、できるだけ体を冷やした。それから、川や水が流れているところを見つけると、水をかぶって体を冷やすようにした。すると、体が軽くなってきて、ペースを上げて走れるようになってきた。
ロングレースでは、必ず辛い場面があるが、我慢していると、また走れるようになると聞いたことがある。あきらめないでよかった。笹ヶ峰からの苦しい区間が嘘のようにペースが上がる。むしろ飛ばしすぎに注意して、先を追う。時刻も15時を回り、気温も涼しくなってきていた。
鏡池を過ぎて、戸隠スキー場に向かうあたり(90㎞地点あたり)で前を走る荒木選手が見えた。荒木選手は上り坂を歩いていた。自分は復活していたので、登り坂も走る。ここで、追いつき、先に行くことができた。そこから先の登り坂も快調に走ることができ、戸隠スキー場到着。
<A6 戸隠スキー場 92km地点 10:32:28 エイド滞在3:54>
ここではソフトフラスクに水を補給。定番となったコーラを2~3杯いただいた。お腹がすいていたので、アンパンをいただいたが、消化が今一つだったようで、後でやや苦しむことになった。
<戸隠スキー場~飯縄山登山口>
ここからはこのレース最大の難関、瑪瑙山が待ち受ける。ここまで90km以上走ってきた体での山越え。ここをペースダウンせずにクリアできるかが、ゴールタイムに大きな影響を及ぼす。小出とも走りながら瑪瑙山でペースアップすることを話していた。ペースが上がらない苦しい時間帯には、ペースアップできるとは思っていなかったけれど、この時はすっかり復活していた。上り坂でもしっかり走ったり、早歩きしたりしながら、登っていく。視界の開けたゲレンデでは、後ろから来る選手に背中を見せないように、頑張って走った。まだまだ体が動くのが嬉しい。山頂からは下り坂。ここは自分が大好きな区間。自然に足が前に出るし、ペースも上がる。下り坂を終えるころ、あたりは暗くなってきていた。ここでヘッドライトを装着。明るい時間帯と比べてどうしても視野が狭くなるので、ペースは少し落ちる。それでも間もなく102km地点、「飯縄山登山口」に到着した。
飯縄山登山口のウォーターステーションではソフトフラスクに水を補給。ここから先はゴールまで林道を約8kmひたすら走る。後続との差が気になったので、途中、トレイルサーチでタイム差を検索。4kmほど進んだところでも、まだ後続は飯縄山登山道に到着していなかったので、追いつかれることはなさそうだと分かった。ゴールまでは、小出といろいろな話をしながら走った。こういう時にも気心知れたペーサーの存在は本当にありがたい。ゴールに近づくと、小出の足が売り切れになってきた。無理してペースを上げる場面ではないので、最後まで一緒に走った。長い時間、暗闇を走り続けたが、とうとう明かりが見え、人の声が聞こえてきた。ゴールだ。最後は小出と手をつないで3位でフィニッシュテープを切った。前の2人に追いつけなかったのは悔しいけれど、途中苦しい時間帯を耐え、3位を守ることができて嬉しかった。そして何より、ペーサーの小出と一緒にフィニッシュできたことが本当に嬉しかった。
<考察>
ロングレース対策として、行ってきた練習の成果が出た結果だと思う。レース展開や補給のしかた、暑さ対策など、まだまだできそうなことがたくさんあることが分かった。来年もう一度頂点を目指して挑戦したい。そのために、トラブルなく走り切ることに重点を置いて戦略を練っていきたい。
翌日の表彰式。あんなにたくさんの人の前で表彰してもらう経験は今まで無いかもしれない。
志賀高原マウンテントレイル レースレポート
期日 2019 年7月6日(土)
スタート時刻 9:00 距離 40km
記録 3時間58分08秒 結果 総合 4 位
天気 曇り スタート時気温13℃ ゴール時気温16℃
<使用ギア>
ウェア:S/LAB SENSE TANK
ショーツ:S/LAB SHORT 4
ソックス:SENSE PRO
シ ュ ー ズ : S-SAB SENSE7 SG
インソール:superfeetカスタムカーボン
ザック:S-lab sanse ultra 5 set
心拍計:SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR
ニューハレ:Vテープ(腰)、ニーダッシュ(膝)
ジェル:shotz スタート前2本摂取(グリーンプラム×1本)
レース中30分おきに1本摂取(コーラ×7本、グリーンプラム×2本)
ゴール後1本摂取(コーラ×1本)
ドリンク:エレクトロライトshotz(カシス) 500mlに1袋溶かしたもの×2(スタート時)
<レースプラン>
今年は秋の信越五岳トレイルランニングレース110kmをメインレースに据えている。そのために、一週間前に美ヶ原トレイルランニングレース80kmを走ったばかりだった。あえて翌週に40kmを走ることで、ロングレースへの適応力を高めたいという狙いがあった。今週走ったのは2日間。どこまで疲労が回復しているかがポイントだ。
自分の体がどのような反応をするのかわからないが、無理のないペースで進み、第2エイド過ぎの熟平トレイルをしっかり走り切りたいと考えていた。順位は二の次。今日できる最善の走りをしたいと考えていた。
<使用ギアについて>
スタート時、肌寒かったが、大きな天候の崩れがなさそうだったので、ウェアはタンクトップタイプを選択。またロングレースに適応するため、ザックを選択。500mlのソフトフラスコ2本、ジェル12個を携帯した。さらに、エレクトロライトショッツ、塩熱サプリも携帯するためにS/lab modular beltのポケットを活用した。シューズについてはグリップ力が高く、水はけのよいS-SAB SENSE7 SG を選択した。軽量で足さばきが軽快にできるのも気に入っているポイントだ。
<レース展開>
天候は曇り。暑くなく、雨でもない、絶好のコンディションだ。そして、9時00分、ロングの部がスタートした。大瀬選手が序盤から勢いよく飛び出していった。外国人の選手がそれに続く。ゆったりとした動きで、とてもいい走りだ。自分は5番手あたりで水路沿いのシングルトラックを駆け抜け、アライタ沢を抜けて岩菅山登山道へ。近くには貝瀬選手、駒村選手がいた。先週の疲れからか、ペースは上がらないが、それほどきつくもないペースでこの位置。体調は思ったよりいいようだ。ノッキリに着くと、稜線上に出た。そこから寺子屋峰までは小刻みなアップダウンが続く。いつものことだが、ところどころぬかるんでいる。下り坂も無理せずに安全第一を心掛けながら走った。
5番手で第1セクションの14kmを終え、第1エイドへ。前方には貝瀬選手、駒村選手が見える。心配した体調も悪くない。まだまだいけそう。1リットル携帯していたドリンクだったが、500mlも飲んでいなかった。ハイドレーションへの水の補給はせず、バナナを一切れいただく。ここから再び登りセクション。無理せず、走れるところは走り、急坂は歩く。貝瀬選手、駒村選手が見える位置で焼額山山頂へ。しかしながら、後ろから来た高村選手に追い付かれ、6番手で下りセクションへ。
焼額山の山頂からはひたすら砂利道を下って行く。重力に身を任せて落下することを心掛けた。足が後ろに流れないように、イメージはコサックダンス。この間に高村選手より先行し、駒村選手をかわし、貝瀬選手に追い付いた。そして第2エイドに到着。ここからゴールまでの距離と時間を考え、ハイドレーションに水を満タンに補給。コーラを一杯とバナナ一切れをいただく。
第2エイドを後にし、流れに身を任せて貝瀬選手と二人で3~4kmほどロードを下ってゆく。
熟平トレイルに入ると、川沿いを上ったり、下ったりのアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げてゴールを目指す。貝瀬選手に余力がありそうだったので、先に行ってもらう。自分も上り坂は歩かないことを心掛け、下り坂はリズムに乗っていいペースで走ることができた。後ろからの追い上げも怖かったが、今日のベストの走りをすることだけを心掛けた。すると、ラスト5kmあたりで、先行していた外国人選手が見えた。追い付けるかもしれない、追い付きたいと思ったが、結局差を詰めることはできず、4位でフィニッシュした。
<考察>
最初の10kmより最後の10km。熟平トレイルを軽快なペースで走る自分をイメージしながら終始レースを進めた。最後の10kmをしっかり走るために、今のペースは適正なのかを意識しながら走っていた。先週の疲労からか、爆発的なスピードは出なかったものの、ペースが落ちることもなかった。なるべく外力を使い、流れに身を任せた。先週走ったのが80km。今回が40km。距離は半分だ。そう考えると、精神的にも楽だった。
ジェルを30分に1本の間隔で摂取したことでエネルギー関連のトラブルはなかった。なんとなく辛く感じる場面ではカフェイン入りのshotzグリーンプラムフレーバーを摂ったことで目が覚め、頭がスッキリした。
ロングレースへの適応を考えてザックタイプを選択し、スタート時からドリンク1Lを携帯したが、この重さにも慣れてきた。いざという時のために、必要なものはしっかり持っていくようにしたい。
今回はスタート3時間前に朝食を済ませた。その後は何も食べず、スタート前にジェル1本を補給した。昨年はエネルギー不足を心配して朝食後に食べたパンが胃の不調につながっていたが、今回は胃のトラブル無く走ることができた。
今年も5月から毎週末で高社山を中心に、2時間~2時間半程度のトレイルランニングでトレーニングをしてきている。このことでトレイルに適した足づくりと長距離を走るための素地ができてきているのではないかと思う。今後も続けていきたい。
<SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR>
レース中はナビゲーション機能を活用。コースのアップダウンやどこを走っているか一目瞭然だから、ペース管理に大いに役立った。
<リザルト>
美ヶ原トレイルランニングレース レースレポート
期日 2019年6月28日(土)
スタート時刻 4:00 距離約80km
記録 9時間18分57秒
結果 3位
<使用ギア>
ウェア: S-LAB SENSE TEE
S-LAB SENSE SHORT
ソックス:SENSE SUPPORT
シューズ:SENSE PRO 3
インソール:superfeetカスタムカーボン
ザック:S-LAB SENSE ULTRA 5SET
ベルト:S-LAB MODULAR BELT
時計:SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR
ニューハレ:ニーダッシュ(膝)、Vテープ(腰)
ジェル:SHOTZエナジージェル
レース中30分おきに1本ずつ(レモンライム、ワイルドベリー、コーラ、マンゴー)
レース中眠気を感じた時に (コーラバニラ×2回、カプチーノ×1回)
給水:エレクトロライトショッツ
(水500mlに対して1本~2本。気温、発汗量に応じてエイドで水を補給するときに調整。)
<出場までの経緯>
今年は秋の信越五岳トレイルランニングレース110kmをメインレースに据えた。そこで良い結果を出すためには、長い時間走り続けるトレーニングが不可欠になる。そういう意味で、この時期に80kmを走ることができるこの大会は最適だ。また、信州人でありながら、普段なかなか訪れる機会がない美ヶ原エリアを走りたいという思いもあった。
<前日~スタートまで>
大会前日は仕事を終えてから受付をし、宿舎へ向かった。宿舎へ着き、夕食を摂った後、装備品の準備。入浴を済ませて、8時半には就寝した。
大会当日は2時過ぎに起床。2時15分から朝食を摂り、着替えてから3時過ぎに宿を出発した。会場には3時20分ごろ到着。準備をしてスタート地点へ向かった。
<スタート~和田峠>
午前4時、夜明け前の暗闇のなか、80kmに挑む選手たちが一斉にスタートした。最初はゲレンデをひたすら登り、標高を上げていく。ヘッドランプの明かりが前方に4つ~5つ見える。誰が先行しているのか分からないが、おそらく菊島選手や奥山選手だろう。まだ道のりは長いので、無理して先頭を追うことはせず、慌てないように動きを意識しながら自分のリズムで登っていく。3km強進んだところでゲレンデトップに到着。ここからはシングルトラックのトレイルへと入っていく。
美ヶ原の台地が朝日にうっすらと照らされ、素晴らしい景色が広がっていた。この先は一度高度を下げた後、和田峠を目指して再び高度を上げていく。レースはまだ序盤だが、思ったようにペースを上げられない。先はまだ長いと自分に言い聞かせ、なるべく無理のないペースで進む。1Aの和田峠に到着。ここまで、思っ たより長かった。ロングレースのスケールの大きさを感じさせられた。エイドでは500mlのソフトフラスコ2本に水を満タンにし、梅干を一つ食べてエイドを後にした。
<和田峠~山本小屋>
1Aから先は基本シングルトラック。このセクションにはコース最高地点がある。基本的には登り基調だが、ところどろこで下り坂もある。スタートから2時間を経過したが、眠気が襲ってきた。下り坂で木の根っこに足を引っかけて転倒。ゼッケンの安全ピンが外れる。走りながら安全ピンをつけ直しながら走る。ここで、shotzのカフェイン入りジェル、コーラバニラを投入。眠気が収まった。このあたりから、1時間前にスタートした90kmの選手をパスしながら進む。走ったり歩いたりしながら、コース最高地点の茶臼山に到着。ここから2Aの山本小屋までやや高度を下げる。途中で牧場の脇を通過する。ここはしっかりしたトレイルではなく、ガレたところを走らなければいけないところもある。途中で石につまずいて転倒。石に頭をぶつけて負傷。手のひらからも流血。起き上がって走りながら受傷の状況を確認。血が出ているのは手のひらだけで、頭からの出血は無さそう。幸いにも大きなケガではなかった。あまり好ましくはないが、自然相手のスポーツなので、こういうこともあると自分に言い聞かせ、先へと進んだ。2Aの山本小屋では水を補給した。
<山本小屋~和田宿>
ここからは標高で1200m程をひたすら下ってゆく。途中、あまり使われていない登山道や、この大会のためにマーキングされた道も通った。普段人があまり通らないため、道として走りやすいとは言えないところもあった。この時点でまだ30kmほど。ここで飛ばしても仕方ないので、流れに身を任せて下ってゆく。どんどんと下ってゆくと、暑さを感じ始めた。山の麓まで下がってくると、長く続く林道や舗装路に出た。ここで、後ろから一人の選手が追い付いてきた。A3の和田宿で給水。コーラを飲み、梅干しとバナナを食べ、かぶり水をして出発。
<和田宿~長門牧場>
標高約800mの和田宿から標高約1400mの長門牧場まで、ひたすら登っていく。延々と続く林道。ここまで40km以上走ってきており、疲れも出てくる。ここを走れるか、歩いてしまうかでゴールタイムが大きく変わってくる。速さは無いが、とにかく走り続ける。標高を上げると、暑さが和らいだ。しかしながら、次のエイドが遠い。水が切れかけ、ピンチに。それでも、脱水症状にならずにA4の長門牧場にたどり着いた。ここでコーラを飲み、さらに給水。梅干しとバナナを食べて出発。ここで単独4位になっていた。
<長門牧場~大門峠>
なんとなくスタート会場の近くまで戻ってきたような気がしたが、まだゴールまでは20km以上あった。それでも、ここまでの林道とは違い、森の中のシングルトラックは走りやすい。体は疲れているが、できる限り、とにかく走り続ける。10kmほど走って、A5の大門峠に到着。コーラを飲み、給水をして、梅干とバナナを食べて出発。
<大門峠~ゴール>
ゴールまで12kmほど。終わりそうで終わらない長旅。ここからは天候の関係で、コース変更になった区間だ。森の中の走りやすいシングルトラックが多かったが、大きく上るところもあり、疲れた体にはこたえた。残り10kmを切ったあたりで、スタートから全く見えなかった一人の選手をパスすることができた。「始めの10kmよりラストの10km」と念頭に置いて走っていたのがよかったのかもしれない。ここまできたらみんな辛いのは一緒だと思った。最後はスキー場のゲレンデトップまで標高を上げ、ゴールまで3km強のゲレンデを駆け下りた。ゴールゲートをくぐると、総合3位だということが分かった。
<考察>
久々のロングレース。周りのペースに惑わされず、動きを意識してペースを守った結果、後半に順位を上げることができた。補給は30分おきにジェル1本を守った。レース後半は真水がおいしかった。
さらに上位を目指すために、なるべく行動時間を長くとった練習をしたいと思った
2019戸隠マウンテントレイル レースレポート
期日2019年6月1日(土)
スタート時刻 13:00
距離 20km
記録 1時間50分14秒
結果 総合5位
<使用ギア>
ウェア: S/LAB SENSE TANK
S/LAB SENSE SHORT
ソックス:RX S-LAB
シューズ:S-SAB SENSE7 SG
インソール:superfeetカスタムブラック
ニューハレ:ニーダッシュ(膝)、Vテープ(腰)
ジェル:SHOTZエナジージェルスタート前1本(レモンライム)
レース中30分おきに1本(レモンライム・ワイルドベリー・各1本)
給水:エレクトロライトショッツ(水500mlに対して2本)
時計:SUUNTO SPARTAN SPORT WRIST HR
<レース前>
第1回から参加させていただいているこの大会も第7回を迎えた。毎年同じコースレイアウトで開催されているが、飽きることはない。1年に1度、戸隠の森を、山を駆けられるこの季節が来るのが楽しみだ。
<レース展開>
スタートしてから、上田瑠偉選手、が先頭に立ち、若手の加藤選手がそれを追いかける形になった。駒村選手、平賀選手がそれに続く。その後ろ、5~6番手で瑪瑙山を登っていった。序盤は、一列に選手が連なった状態で、気が抜けない。
瑪瑙山からの下りは自分が一番好きなセクションだ。軽快に下るも、前の平賀選手との差はさほど変わらない。この後はずっと平賀選手を追いかける展開になった。
第1セクションを終え、6kmへと突入。ここをしっかり走りきることがポイントだと考えていた。すると、前の平賀選手との差がじわじわと縮まってきた。手が届きそうなところまで近づいた。平賀選手のペースが鈍れば一気に抜きたいと思っていたが、流石に彼も実力者。簡単には抜かせてもらえず、結局そのままの差を保ったままゴール。総合5位だった。
<レースの成果と課題>
今回は、自分の走りを追求することをテーマに走った。その結果がこの順位に表れている。登りの走り方、下りの走り方、レース運びなど、総合力が問われるのがトレイルランニングの魅力だ。最近、下位入賞が定位置になりつつある。入賞し続けることには一定の価値があるとは思うものの、競争である以上、さらに上の順位を目指して取り組んでいきたい。小さな目標達成の積み重ねが、やがて大きな目標の達成につながると思う。
※写真は大会ホームページより引用