スキーアーチェリーインターナショナルカップ3日目


10kmマススタート

泣いても笑ってもこの大会はこの競技が最後。
午前9時、一斉にスタート。
前日の成績により、センターからスタートのわたしは先頭を引っ張りたくなかたので、ロシア選手の後ろにつく。
クロスカントリースキーのリレーと同じで、1周目は先頭に立つことよりも先頭から最小タイム差で1回目のシューティングに入る事が重要だと思う。

すると我々の横を鋭く滑りぬけてゆく選手が。
K倉選手だ。
今回、満を持してスキーアーチェリーに参戦。

K倉選手が集団を引っ張る形でレースが進む。
1番でシューティングレンジに入りたい私は、最後の下り坂の手前で先頭に出ると、そのままシューティングレンジに入った。

1射目を外したものの、残りの3射を的中させ、ペナルティー1。
悪くはなかったが、対するロシア選手はペナルティー0。
さらに私よりシューティングにかける時間が短いため、差がついてしまった。
さらにロシアのアントン選手もわたしと同じ1ペナルティーだったが、やはりシューティングのテンポが速く、わたしより先にコースに出ていた。

2周目は3番手で周回した。
ロシア選手の体調が良くなってきているのだと思うが、なかなか差が縮まらない。
差をキープしたまま2回目のシューティングへ。


わたしは自分のリズムを崩さない。
前の2人が3ペナルティーのところ、私は1ペナルティー
この時点でこの日初めて首位に立った。
めまぐるしく変わる順位。
これぞスキーアーチェリーの醍醐味。

そのまま3周目を終え、3回目のシューティングへ。

自分のリズムで射っていたはずだった。
しかしながら矢は的に吸い込まれること無く、バラバラと散ってゆく。
まさかの4ペナルティー
今思えば、先頭を走っているということが見えないプレッシャーとなり、落ち着いて射とうとするあまり動きが縮こまってしまったのだと思う。
後ろから来たロシア選手達は2〜3発当ててコースに出て行った。
この時点でわたしは4位。
目の前にはロシアのアントンとチームJAPANのホープMち田がいた。
若干の順位の変動があるものの、大きく順位が変わること無く、4回目のシューティングへ。
泣いても笑っても怒ってもコレが最後。勝負するしかない。
4番手でシューティングレンジに入った私は前の選手のシューティングが見える。
すると1位の選手が結構ヒットさせているのが分かった。
ゆっくり射っていたのでは全部ヒットさせても追いつくことはできない。
ここは一か八か、速いテンポでシューティングすることでシューティングタイムを短縮し、前の選手を追うしかないと思った。
この判断が功を奏し、動きの中で矢を放つことで矢に勢いが生まれ、ペナルティー0。
とにかく前を追うしかない。
最後まで絶対に諦めない。


死力を尽くしたレースだったが、前に追いつくことはできず、12秒差の2位でフィニッシュ。

3連勝ができなかった悔しさはあったが、やり遂げた感とやりきった感がすがすがしかった。

この競技では追うものと追われるものの心理ゲームも行われる。
体力、技術、精神力。
この全てを満たした物が勝者となるのがスキーアーチェリーなのだろう。
素晴らしい競技に出会えたことに感謝したい。

そしてこの大会に携わった全ての人に感謝!!