午後:パシュート競技(2.5km×4周/4射×3回)

urakov2007-03-15









午前のスプリント競技のタイム差でスタートしていく競技。

見た目の順位がそのままの順位になるので、非常に分かりやすい。



私とトップのロシア選手とは」33秒差。

たった1本の矢で逆転できる差だ。

スキーで無理をせずに、アーチェリーを確実に当てようと思った。


<1周目>

ほぼ同時にスタートしたロシアのKonstantinは去年のチャンピオン。

彼について行こうと思った。

しかし彼に去年ほどの走力は無く、500mほど滑ったところで私が抜いていった。

この時点で2位にあがった。


yamaさん
1回目のシューティング。

トップのロシアのPavelがすでにシューティングをしていたが、焦りからかミスしていたのが分かった。

スプリントの時と同じミスはしないように気をつけて射った私の4本の矢はすべてターゲットを倒した。

Pavelがペナルティーコースを回っている間に私はトップに立った。


<2週目>

この競技を始めて初めて世界の先頭を走ったことに興奮した。

この時点で私と後続との差は30秒ほどに開いていた。

2回目のシューティング。

3射目をミスし、ペナルティー1。

ペナルティーコースを1周してコースに戻ったが、後続の選手はまだシューティングレンジにいた。


yamaさん

<3周目>

3周目に入ると、後続との差が大きく開いた。

どうやら後続のシューティングがうまく行かなかったようだ。

3周目の中盤で、イタリアのナディア(女子選手)が後続との差が2分あることを教えてくれた。

今日のスキーの調子の良さを考えると最後のシューティングですべてミスしても勝てる気がして、精神的に楽になった。


そして3回目のシューティング(立ち射ち)。


午前のスプリントのときは足の震えからミスしたことを思い出し、丁寧に射った。

3本目までヒット。

まだ後続は来ない。

優勝を確信した。

4本目は一息入れて丁寧に射ってヒット。

観客から大きな拍手と歓声が上がったのが分かった。


大声で「よし!」と叫び、最終周へ。

<4周目>

最後はリズム良くすべり、ゴールへ向かった。

そしてストックを突き上げてゴール。

この瞬間、私は世界の頂点に立った。

よく当たり、よく滑った会心のレースは、終わってみれば2位に2分30秒以上の大差がついていた。

http://www.archeryworldcup.org/UserFiles/Document/World%20Championships/2007%20Events/Moscow/07_Moscow_results_pursuit_M.pdf

ゴールではOkudaさんがまっていてくれ、がっちり固い握手をした。

そのあと、インタビューをされたが、ロシア語が分かるはずもなく、通訳がそれを英語に翻訳してくれたが、うまく答えることが出来なかった。



試合の後、表彰式が行われた。

欲しくてたまらなかった金メダルをもらえたことにも感動したが、日の丸が一番高いところに上がり、「君が代」がロシアの地に流れたことにも感動した。





※恐縮ですが、本日の信濃毎日新聞にのせていただきました。

http://www.shinmai.co.jp/news/20070315/KT070314IWI090008000022.htm