SALOMONThe4100Dマウンテントレイルin野沢温泉〜レース編〜

<レース展開>

<セクション1>
 第1、第2セクションはザックよりも、皮膚への接触面積が少ないウエストベルトを選択した。そこに500mlの水分を携帯。それだけでは不十分なので、S-LAB SENSE HYDROを使用し、右手にソフトフラスクに入れた500mlの水分を携帯。また、左手にはジェル5本が入ったソフトフラスクを携帯した。

午前7時、65kmの難コースにチャレンジする選手たちが野沢温泉オリンピックスポーツパークを一斉にスタートした。勢いよく飛び出していく選手も中にはいるが、追いかけることはしない。今回は相手のペースに合わせるのではなく、自分自身が65kmを走りきれるペースで始めから走ろうと決めていた。去年は同じ区間を心拍数が170拍/分をギリギリ下回るくらいのペースで走ったが、今年の心拍数は160/分ほど。それでも適正なペースに思えた。序盤の温泉街でたくさんの声援から元気をもらい、林道で少しずつ前から落ちて来る選手を拾う。登山道でさらに数人の選手をパスした。水分は15〜20分おきに約100ml摂取し、ジェルも20〜30分間隔で摂取。さらに塩熱サプリを30分おきに2粒ずつ摂取した。S-LAB SENSE HYDROは手のひらにソフトフラスクが密着しているので、こまめに水分を補給しても動きのロスが少ない。

毛無山山頂付近を経て長坂ゴンドラ終点のエイドステーションで水を補給する。
 下り坂は足へのダメージを極力軽減するような走り方で飛ばしすぎずに下ってゆく。標高を下げるごとに暑さを感じるようになってくる。
第1セクションを終え、会場に戻るころ、確実な順位は分からなかったが10位以内につけていることは何となくわかった。昨年よりやや遅いタイムだったが、これでよし。

<セクション2>
 第1セクションで飲みきった水分とジェルを、会場のエイドに用意していた500mlと250mlのソフトフラスクに交換して会場を後にする。

第2セクションは距離が短いものの、第1、第3セクションと比較して標高の低い部分が多い。その分暑さもダイレクトに感じる区間だ。
それでも今年は過去3回に比べて1番涼しいコンディションであった。補給に細心の注意を払いながら無理のないであろうペースで歩を進める。若干の順位変動を経て会場へ戻った。過去3回は第2セクション中盤で体に力が入らなくなる症状を感じて大きくペースダウンしていたが、今回は無事に第2セクションを走りきることができた。

<セクション3>
 セクション3ではエイドステーションに到達するまで2時間30分近くかかる。私の計算では1リットル以上の水を必要とするのでウエストボトルでは水を携帯できる量が不十分だと考え、会場でウエストボトルからザックに切り替えた。ここで水分1.5L、ジェル約8本を携帯した。計算上必要な量とはいえ、さすがに重い…。勢い良く走るとはいかなかったが、それでも歩くことなく一歩一歩走っていく。第3セクション前半は標高の低さから、暑さを感じる。ペースアップすればたちまち熱中症の症状が出そうな雰囲気を感じながら、ぎりぎりのペースを探りながら走る。灯篭木峠を過ぎ、標高を上げるといくらか涼しくなるが、ロードの区間なので精神的にも肉体的にもきつい。何度か沢の水に寄り道して体を冷やしつつ標高を上げていく。勾配のきつくない区間ではややペースを上げて走ることができた。何とか走れるだけの脚力は残っていても、歩く脚力は売り切れに近づいていた。勾配がきつい登りでは足が攣りそうになりながらも、ペースを調整しながら歩いていく。
 最後のエイドステーションで水分をハイドレーションに補給した。残りはほぼ下り坂の約15km。ペースを上げて走って行きたい所だったが、自分が思っていたよりも内臓に疲労が来ていた。ジェルや水分でさえ摂りたく無いような気持ちの悪さ。さらに、下り坂で振動が加わる度に気持ち悪さは増してゆく…。それでも、さほどペースが上げられないながらも、一歩一歩走ってゆくことはできる。徐々に標高を下げると温泉街が視界に入る。
明らかに過去3年間よりも早いペースで走れていることに喜びを感じ、ゴールの瞬間を意識する。胃腸への負担は大きく、気持ち悪さがあるが、最後まで水分とジェルの補給はコンスタントに行った。前も後も見えない状況の中ではあったが、大きなペースダウンをすることなく、フィニッシュを迎えられることに喜びを感じながらゴールのアーチをくぐった。

P/sho fujimaki
総合6位。終始周りのペースを意識せず、自分の走りに徹した結果であった。しかしながら5位の大杉選手とは30分以上の差がついていた。リザルトを確認すると自分より上位の選手は第3セクションでペースダウンすることなく走ることが出来ている。それに比べてわたしは過去の大会に比べて走れていたものの、やはり第3セクションでペースダウンしている。AMBIT2Sのデータから見てもそのことは一目瞭然だ。第3セクションを力強く走り切る事が来年への課題として残された。